就活を行う上で、「採用」や「内定」、「内々定」という言葉が出てきますが、どのような違いがあるのかご存じでしょうか? 似たような言葉ですが、実は意味が全然違います。 うーん。ややこしそう…。 ややこしいけど、就活を行う上ではとても重要。
しかもあなたの将来を決めてしまう言葉なので、その意味をぜひ知っておいてほしいのです。
今回はそのややこしい「採用」「内定」「内々定」の3種類の言葉の意味をわかりやすく説明します!
採用とは?

採用とは、会社側は就活生を迎え入れることが決定していますが、就活生の意思は決定していない状態を指します。
会社に入社して働いてもらうためには、就活生の意思表示が必要となります。社内で「この子は合格にしよう」と決定している状態です。
内々定とは?

「内々定」とは「10月に内定を出す」(経団連の都合上、内定は10月以降にしか出せない)という企業からの口約束のようなものとイメージするといいでしょう。
書面を交わすケースは少なく、口頭で、あるいはメールなどで伝えられることが多いです。
最終面接の後に「採用が決まりました〜」とメールが来たり、電話がかかって来たりしていれば「内々定」です。
内定とは?

一般に「内定」とは、学生が企業から「採用通知」という書面を受け取り、学生が企業に「入社承諾書」を提出することによって相互に意思確認をし、労働契約が成立した状態のことを指します。
経団連による採用選考に関する指針では「正式な内定日は、卒業・修了年度の10月1日以降とする」とされているため、多くの企業は10月に「内定式」を実施します。
その際に受け取る採用通知には、いつから働き始めるかといった条件や内定を取り消す場合の取消事由などが書かれており、学生がその内容をふまえて入社を承諾するという一連の手続きをもって「内定」となるわけです。
採用、内定、内々定の違いは?

「採用」「内定」「内々定」の違いは、簡単にいうとあなたが企業で働くまでの順番です。
採用(企業が企業内で合格出す)
↓
内々定(企業が学生に合格だったよと口頭で伝える)
↓
内定(双方合意が取れたので書面で契約する)
こんな感じ。 ……ちゃんと説明します。笑
「採用」は企業内での合格判断なのでひとまず置いておきましょう。
「内定」と「内々定」の大きな違いは、労働契約が成立しているかどうかにあります。
労働契約が成立していなければ法的拘束力は生じないので、原則として「内々定」であれば、企業も学生も自由に取り消しができます。
企業側も取り消すことは可能ですが、正当な理由のない一方的な取り消しは企業のイメージを損なう事態につながりかねないので、通常は「内々定だから」といって企業が簡単に取り消すことはありません。
内定を承諾して労働契約が成立した場合、学生に対しても法的拘束力が生じます。
とはいえ、民法では労働契約は労働者側から2週間前に申し出れば解約できると定め られているので、実質的には学生への強い拘束力はなく、内定を複数持つことも法律上の問題はありません。
ただし、万が一内定後に辞退することになった場合は、企業への影響は大きいと考えた方がよいでしょう。(採用には結構なコストと労力かかってるんだって!)
内定承諾後の辞退について詳しくはこちらの記事にまとめています。

まとめ
この記事では、「採用」「内定」「内々定」、それぞれの言葉の意味について説明しました。
例年6月から7月あたりに一気に内々定が出はじめ、それを「就活の終わり(終活)」と弾けちゃう就活生も多くいます。
基本的にそれでいいのですが、内々定のうちは内定取り消しよりも簡単に内々定取り消しが起きるリスクがあります。
そのため内々定のうちから出来るだけ書面でやりとりしている方が良いでしょう。
もちろん経団連の都合上内定は10月以降にしか出せないので、仕方ないのですが……! 書面があるだけで少し拘束力は高まります。
新卒ではなく中途や既卒の場合は10月の縛りがないので、なるべく早めに内定を承諾し、契約を済ませることをお勧めします!