就活の自己PRは何を書くべき？強みの見つけ方と例文・業界別ポイントも解説

就活で必ず問われる定番の質問のひとつが「自己PR」です。エントリーシートや履歴書に書くのはもちろん、面接でも高確率で聞かれるため、避けて通ることはできません。
しかし「何を書けばいいかわからない」「強みを見つけられない」「エピソードが浮かばない」と悩む学生は非常に多いです。特に初めての就職活動では、自分の経験をどう言語化すれば良いのか戸惑ってしまうのは自然なことです。

実際に企業が知りたいのは「学生時代にどんなことをしたか」以上に「その経験から何を学び、入社後にどう活かせるか」です。つまり、ただエピソードを並べるのではなく、論理的に自分の強みを伝えることが求められています。

この記事では、自己PRで何を書くべきかを徹底的に解説します。強みの見つけ方、企業が評価するポイント、診断チャートや棚卸しテンプレートの活用法、さらに業界ごとのPRの傾向までを網羅しました。実際に使える例文や改善例も掲載しているので、読みながら自分のPRを形にすることができます。

まずは「なぜ自己PRで悩む人が多いのか」という点から整理し、自分の課題を確認していきましょう。

自己PRで「何を書けばいいのか分からない」あなたへ

就活を始めると、多くの学生が最初につまずくのが「自己PR」です。自己PRは、自分を企業に売り込む大切な場面であるにもかかわらず、「何を書けばいいのか分からない」と悩む人が後を絶ちません。

そもそも自己PRは、企業に「あなたを採用するメリットは何か」を伝えるためのものです。履歴書やエントリーシートに記入するだけでなく、面接でも必ず聞かれる定番の質問だからこそ、しっかりと準備しておく必要があります。

書けない原因は「強みがわからない」こと

多くの学生が直面する悩みは「自分の強みがわからない」というものです。学生生活の中では勉強・アルバイト・サークル活動など様々な経験をしていますが、それを「強み」として言語化するのは難しく感じる人が多いです。自分にとって当たり前の行動が、実は企業にとって高く評価される資質であることもあります。

エピソードが思いつかないという壁

「強みが見つかっても、それを裏付けるエピソードが浮かばない」という壁にぶつかる人もいます。エピソードが弱いと自己PR全体が薄っぺらくなってしまい、「説得力に欠ける」と判断される可能性が高まります。実際には、日常の小さな経験でも工夫や成長を含めて語れば十分に自己PRに活かせます。

本記事で解決できること

この記事では、上記の悩みを抱える方に向けて「強みの見つけ方」から「エピソードの引き出し方」、さらに「企業が評価するポイント」までを体系的に紹介します。加えて、以下のような実践的なコンテンツも用意しました。

• 自己PRの方向性がすぐに見える診断チャート
  
• 5分でできる「強みの棚卸しテンプレート」
  
• アルバイト・サークル・ゼミなどの経験を題材にした例文集
  
• 業界ごとの「刺さりやすいPRテーマ」早見表
  
• 就活経験者100人の体験談ランキング
  

これらを活用すれば、「何を書けばいいかわからない」という状態から、「自信を持って自己PRを語れる」状態へとステップアップできます。

自己PRで何を書く？企業が見ているポイントとは

自己PRを書くとき、多くの学生が「どの経験を選べばいいのか」「どんな言葉を使えば評価されるのか」に悩みます。ですが、実は企業側が注目しているのは、経験そのものの華やかさではありません。大切なのは、その経験を通じてどんな強みを発揮し、それを入社後にどう活かせるかです。

自己PRは「内容の良さ」より「活かし方」

例えば「全国大会に出場しました」という成果は確かに目を引きます。しかし、それだけでは「すごいね」で終わってしまいます。企業が知りたいのは、「その成果を出すためにどんな工夫をしたのか」「その過程でどんな能力を培ったのか」「それを仕事でどう再現できるのか」という部分です。

つまり、自己PRは単なるエピソード紹介ではなく「再現性のある強みの提示」です。内容の派手さよりも、論理的に「強み → 裏付け → 仕事への活かし方」をつなげて語ることが重要です。

企業が重視する3つの視点

主体性

どんな経験であっても、「自分から行動したかどうか」が大切です。指示されて動いたのではなく、自ら課題を見つけ、解決に向けて工夫した経験は高く評価されます。

成果・工夫

結果だけでなく、そこに至るまでの工夫やプロセスも重視されます。失敗から学び改善した経験も「成果を出す力」として評価されることがあります。

入社後に活かせる再現性

自己PRで最も重要なのが「入社後も再現できる強みであるか」という視点です。過去の成功体験を単なる思い出で終わらせず、「御社でこの強みを活かしてこう貢献したい」と未来につなげることで、企業にとって採用する意味が明確になります。

自己PRに何を書くべきかすぐわかる診断チャート！

自己PRの悩みで最も多いのは「何をアピールすればいいのか」という点です。そこで役立つのが診断チャートです。Yes/Noで答えていくだけで、自分のPR軸が自然と導き出されます。まずはゲーム感覚で試し、自己分析の出発点にしてみましょう。

Yes/Noチャートで簡単に導く「あなたに合ったPR軸」

次の質問に順番に答えてみましょう。

1. 学生生活で一番力を入れた活動は「組織やチームでの経験」か？
   　Yes → Q2へ / No → Q3へ
   
2. その経験で「人をまとめたり動かしたりした役割」を担ったか？
   　Yes → 「リーダーシップ型」PRがおすすめ
   　No → 「協調性・サポート型」PRがおすすめ
   
3. 個人での挑戦や成果を重視したか？
   　Yes → 「挑戦・向上心型」PRがおすすめ
   　No → Q4へ
   
4. 継続的に努力を積み重ねた経験があるか？
   　Yes → 「努力・粘り強さ型」PRがおすすめ
   　No → 「柔軟性・適応力型」PRがおすすめ
   

このように質問を進めるだけで、自分がどのPRスタイルに合っているかが見えてきます。

診断結果のタイプ別アドバイス付き

診断結果に応じて、以下のようにアプローチを工夫すると自己PRが格段に書きやすくなります。

• リーダーシップ型
  　サークルの代表やアルバイトの責任者経験がある人に最適。数字や成果を示しながら「人を動かす力」を強調すると説得力が増します。
  
• 協調性・サポート型
  　チームの裏方として支えた経験を強みにできます。「自分がどう工夫して他者を助けたか」を具体的に描写すると効果的です。
  
• 挑戦・向上心型
  　新しいことに積極的に挑んだエピソードを活かしましょう。「未知のことでも学んで成長できる姿勢」を企業は評価します。
  
• 努力・粘り強さ型
  　受験勉強や部活など長期的に継続した経験をPR軸にできます。「あきらめず取り組む姿勢」を入社後にどう活かすかを明確にすることが鍵です。
  
• 柔軟性・適応力型
  　環境の変化に素早く対応した経験を強みにできます。特に現代のビジネス環境では高く評価されやすく、幅広い業界で応用可能です。
  

この診断チャートを通じて、自分のPRの方向性が定まれば、あとはエピソードを肉付けしていくことで形にすることができます。

5分でできる「強みの棚卸しテンプレート」

「自己PRに書くエピソードが思いつかない」という悩みは、多くの学生が経験します。しかし実際には、日常のちょっとした経験の中にも自己PRにつながるヒントが隠れています。そのために有効なのが「強みの棚卸しテンプレート」です。短時間で整理できる仕組みを使えば、今まで気づかなかった強みを発見できるようになります。

経験を整理するためのテンプレ紹介

強みを見つけるためには、「どんな経験をしたか」だけでなく、「その経験を通じてどんな力を発揮したか」に着目することが大切です。以下のテンプレートを紙やノートに書き出すだけで、思考が整理されます。

1. どんな場面での経験か（アルバイト・サークル・授業・趣味など）
   
2. その時の課題や目標は何だったか
   
3. 自分が取った具体的な行動は何か
   
4. 行動の結果、どんな成果や変化があったか
   
5. そこから得られた学びや成長は何か
   

この流れで整理することで、単なる「経験の列挙」ではなく「強みの裏付け」へとつながります。

記入例付きで初心者でもすぐ使える

実際にテンプレートを使った記入例を見てみましょう。

• 経験：アルバイトで新人教育を担当した
  
• 課題：新人が業務を覚えられず、仕事が滞っていた
  
• 行動：マニュアルを簡略化し、個別に進捗を確認する仕組みを作った
  
• 結果：新人の習熟スピードが上がり、シフト全体の業務効率が改善した
  
• 学び：相手の状況に合わせた工夫や改善を考える力を培った
  

このように整理すると「指導力」や「課題解決力」といった強みが自然と浮かび上がります。

自己PRに悩んだら、まずはこのテンプレートを埋めてみることから始めましょう。わずか5分でも取り組めば、書くべきエピソードのヒントが必ず見えてきます。

自己PRで書く内容のパターンと具体例

自己PRを書くときに悩むのが「どの経験を題材にするか」という点です。ここでは、学生がよく使う代表的な経験をもとに、具体例を紹介します。それぞれのパターンに沿った例文を読むことで、自分の体験をどう文章化すればよいのかイメージしやすくなります。さらに、Before→Afterの改善例も交えて、より伝わりやすい表現のコツを学んでいきましょう。

1. アルバイト経験を活かした例

アルバイトは多くの学生が経験しているため、PRネタとして活用しやすいです。接客業であれば「コミュニケーション力」や「課題解決力」、飲食や販売では「改善力」や「協調性」を示せます。

例文
私は飲食店でアルバイトをしており、新人教育を担当しました。当初は新人が業務を覚えられずにトラブルが頻発していました。そこで私はマニュアルを図解にして分かりやすく改善し、進捗を確認する仕組みを導入しました。その結果、新人の習熟が早まり、店舗全体の業務効率も向上しました。この経験を通じて、相手の立場に立ち改善策を考える力を身につけました。入社後も業務効率化やチームの成長に貢献したいと考えています。

2. サークル・部活での経験

部活動やサークル活動では「リーダーシップ」や「チームワーク」が伝えやすいです。役職に就いていなくても、裏方として支えた経験も十分PR材料になります。

例文
私はテニスサークルで大会運営を担当しました。大会直前に雨天で会場が使えなくなり、運営が中止の危機に陥りました。そこで私は別会場の候補をすぐに調べ、交渉して確保することで無事に開催できました。この経験から、困難な状況でも冷静に判断し、チームを支える行動力を培いました。仕事においても課題に直面した際、前向きに解決策を探す姿勢を活かしたいと考えています。

3. ゼミ・研究活動の経験

研究活動は「論理的思考力」「探究心」「粘り強さ」を伝える場になります。成果の大きさよりも、研究に取り組む姿勢や工夫の過程を語ると効果的です。

例文
私はゼミで地域経済をテーマに研究しました。データ収集が難航しましたが、地域の商店街に直接出向き、インタビューを実施することで調査を進めました。その結果、商店街の売上改善に役立つ提案を発表でき、地域紙にも取り上げられました。この経験を通じて、自ら行動し情報を集め、課題を解決する力を培いました。入社後も顧客や現場に足を運び、課題解決に貢献したいです。

4. インターン・長期活動の経験

インターンやNPO活動などは「実務に近い経験」として評価されやすいです。特に社会人との協働経験は、再現性の高さをアピールできます。

例文
私は長期インターンで営業アシスタントを経験しました。初めはミスも多かったのですが、先輩に確認して改善点をまとめ、チェックリストを作成しました。その結果、チーム全体の作業効率が向上し、先輩社員からも感謝されました。この経験から「主体的に改善点を探し、仕組みに落とし込む力」を身につけました。御社の業務においても、現場の課題を把握し改善につなげていきたいです。

5. 自分の性格を活かしたPR

特定の活動がなくても、自分の性格を軸にPRすることも可能です。ただし、性格だけでは抽象的なので、具体的なエピソードを補足することが必須です。

例文
私の強みは「粘り強さ」です。資格試験の勉強を続ける中で、最初の模試では合格ラインに届きませんでした。しかし毎日1時間の勉強を継続し、苦手分野を克服する学習法を工夫した結果、最終的に合格することができました。この経験から、長期的に努力を積み重ね、結果を出す力を培いました。入社後も目標達成に向けて粘り強く取り組みたいと考えています。

Before→Afterの改善例

Before
「私はサークルで副代表を務めました。イベントを企画し、参加者を集めました。」

After
「私はサークルで副代表を務め、100人規模のイベントを企画しました。当初は参加者が集まらず苦労しましたが、SNS告知方法を工夫した結果、前年より30％多い参加者を集めることができました。この経験から課題を見つけ改善し、成果を出す力を培いました。」

エピソードに「課題・工夫・成果」を加えるだけで、説得力は格段に増します。

業界別に刺さりやすい自己PRの内容とは？

自己PRは「どの業界を志望するか」によって響くポイントが大きく変わります。たとえ同じ経験を語っても、アピールする切り口を変えることで評価がぐっと高まります。ここでは業界ごとに好まれる自己PRのテーマを比較表で整理し、さらに業界別の人物像の違いについて解説します。

業界×好まれるPRテーマ早見表

業界	刺さりやすいPRテーマ	理由・背景
IT	論理的思考力／課題解決力／学習意欲	技術進化が速いため、学び続ける姿勢や論理的に課題を分解する力が重視される
商社	行動力／交渉力／語学力	多様な関係者と関わりビジネスを動かすため、積極性やコミュニケーション力が不可欠
金融	正確性／責任感／信頼構築力	顧客の資産を扱うため、誠実さや慎重さが強く評価される
メーカー	改善力／チームワーク／探究心	製品開発や生産の現場では、継続的改善やチーム連携が成果につながる
広告・マスコミ	創造力／情報発信力／柔軟性	新しいアイデアを形にし、トレンドに対応できる発想力が求められる
公務員・インフラ	責任感／継続力／公共性	社会基盤を支えるため、安定して取り組む姿勢や公共意識が必要

このように、同じ「アルバイト経験」であっても、IT業界なら「効率化の工夫」、商社なら「主体的に顧客に提案した経験」といった具合にアピールの角度を変える必要があります。

業界によって求められる人物像の違い

業界ごとに「理想とされる人物像」は明確に異なります。

• IT業界では、知識や技術の深さよりも「学び続ける姿勢」を持つ人材が評価されます。未経験からのスタートでも、論理的に考え試行錯誤できる姿勢があれば十分に通用します。
  
• 商社は「行動力のある人材」が好まれます。スピード感のある市場で新しい取引先を開拓し、信頼を築くため、積極性とコミュニケーション力が欠かせません。
  
• 金融業界では「誠実で信頼される人材」が必須です。数字の正確性や責任感を強調すると効果的です。
  
• メーカーでは「改善意識を持ち、ものづくりを楽しめる人材」が求められます。研究や部活動で培った探究心や継続的努力のエピソードが刺さりやすいです。
  
• 広告・マスコミは「アイデアを形にできる人材」が強く評価されます。サークルでの企画、SNSでの情報発信などの経験を結びつけやすいでしょう。
  
• 公務員やインフラ系では「安定性」と「公共への貢献意識」が求められます。長期的に継続して取り組んだ経験を伝えると説得力が増します。
  

このように業界ごとの特徴を踏まえ、自分の強みを「どの角度から語るか」を工夫することで、自己PRはより効果的に相手に届きます。

就活経験者100人に聞いた「自己PRで書いたこと」ランキング

「他の学生は自己PRでどんなことを書いているのか気になる」という声はとても多いです。そこで今回は、2025卒のらくらく就活利用者100人へのアンケート調査をもとに、実際に自己PRで使われたテーマを集計しました。人気のテーマから、その理由や企業側の評価までをランキング形式で紹介します。

人気のPRテーマTOP5

1位：アルバイト経験（接客・リーダー経験など）
2位：部活動・サークル活動（リーダーシップ・チームワーク）
3位：ゼミや研究活動（探究心・論理的思考力）
4位：インターンや長期活動（実務経験・課題解決力）
5位：資格取得や勉強の努力（継続力・粘り強さ）

この結果からわかるように、多くの学生が身近な経験を題材にしていることが分かります。特別な成果がなくても、「工夫した点」や「学んだこと」を整理すれば十分評価されるのです。

実際に選ばれた理由と企業側の評価

• アルバイト経験
  最も多かったのはアルバイトを題材にした自己PRです。特に接客や販売は「コミュニケーション力」や「顧客対応力」を示しやすいため、多くの業界で評価されやすいテーマです。企業からも「現場での主体性が伝わる」と好印象を得やすい傾向があります。
  
• 部活動・サークル活動
  チームでの活動経験は「協調性」や「リーダーシップ」を示すのに適しています。企業側も「組織の中でどう動くか」がイメージしやすく、特に営業職や企画職などで好まれる傾向があります。
  
• ゼミ・研究活動
  「データを分析し、課題を解決する」という流れは、論理的思考力や探究心を示せます。メーカーやコンサル業界からは「論理性がある」「課題を深掘りする姿勢が伝わる」と評価されました。
  
• インターンや長期活動
  実務に近い経験は「即戦力につながる」と評価されやすいです。特に社会人と協働した経験は、再現性が高いと判断されます。
  
• 資格取得や勉強の努力
  目に見える成果があるため、「努力を継続できる人材」として伝わりやすいテーマです。金融や公務員志望者に多く見られました。
  

この調査から分かるのは、「どんな経験でも工夫と成果を明確に伝えればPRになる」ということです。大切なのは経験の大小ではなく、そこから何を学び、どう活かせるかを論理的に語ることなのです。

自己PRの内容についてよくある質問

自己PRを書いたり面接で話したりする際には、誰もが同じような疑問を抱きます。ここでは特によくある質問を3つ取り上げ、それぞれに具体的な答えを解説します。

長さはどれくらいがベスト？

エントリーシートに書く場合は 400〜600字程度 が目安です。あまり短いと説得力が弱まり、逆に長すぎると要点が伝わりにくくなります。ポイントは「強み → エピソード → 学び → 入社後の活かし方」を1セットで収めることです。

面接で話す場合は 1分〜2分程度 が適切です。面接官は限られた時間の中で多くの学生と会うため、長々と話すよりも要点を簡潔にまとめることが評価につながります。

弱みや失敗談でもいいの？

弱みや失敗談をそのまま伝えるのはおすすめできません。しかし「失敗をどのように乗り越えたか」「弱みを克服するためにどんな努力をしたか」を語れば、むしろ強みとして評価されます。

例えば「人前で話すのが苦手だったが、発表の機会を重ねて克服した」というエピソードは、「成長意欲」や「改善力」として伝えることができます。大切なのは、弱みや失敗を「課題解決力」や「成長の証」としてポジティブに変換することです。

複数の強みを入れてもいい？

結論から言うと、基本は一つに絞る方が効果的です。強みを詰め込みすぎると焦点がぼやけてしまい、「結局この人の強みは何？」と面接官に思わせてしまいます。

ただし、一つの強みを軸にしながら、関連する能力を補足的に触れるのは有効です。例えば「リーダーシップ」を強みとする場合に「その中で特に大切にしたのは、メンバーの意見を聞く協調性です」と加えることで、厚みのある自己PRになります。

まとめ

就活の自己PRで悩むのは、多くの学生にとって自然なことです。なぜなら「自分の強みを見つけ、それを相手に伝わる形にまとめる」という作業は、普段の生活ではあまり経験しないからです。ですが、ポイントを押さえて順序立てて進めれば、必ず形にすることができます。

自己PRを書くときには、次の流れを意識して取り組むと効果的です。

診断で軸を定める

「何をアピールすればいいかわからない」と感じるときは、まず自分の強みの方向性を知ることから始めましょう。診断チャートを使えば、自分が「リーダーシップ型」「努力型」「挑戦型」「協調型」など、どのタイプに当てはまりやすいかがわかります。軸が見えると、経験選びに迷いにくくなります。

テンプレで構成を固める

強みが決まったら、「経験 → 課題 → 行動 → 成果 → 学び → 入社後の活かし方」という王道の流れで文章を組み立てましょう。この構成を意識することで、どんなエピソードでも説得力ある自己PRに仕上がります。最初からうまく書こうとせず、まずはテンプレに沿って事実を埋めていくことが重要です。

業界別にカスタマイズする

同じエピソードでも、企業や業界によって刺さるポイントは異なります。例えばアルバイトでの改善経験を語る場合、IT業界では「課題解決力」、商社なら「積極性」、金融なら「正確性や責任感」といった切り口に変換すると効果的です。業界の特徴を理解し、相手が求める人物像に寄せて伝える工夫をしましょう。

最後に「伝わる構成」に整える

完成した自己PRは必ず声に出して確認してください。書き言葉では自然に見えても、面接で話すと冗長に感じることがあります。1分〜2分で簡潔にまとまるよう調整し、主張したい強みが明確に伝わる形に整えることが大切です。また、第三者に読んでもらうことで、自分では気づけない改善点が見つかります。

自己PRは「特別な経験を持っている人だけが上手に書けるもの」ではありません。むしろ大切なのは、普段の経験から学んだことをどう整理し、どう未来につなげるかです。診断で方向性を決め、テンプレで構成を固め、業界ごとに調整し、最後に声に出して仕上げる──このプロセスを踏めば、誰でも自分らしい自己PRを完成させることができます。

悩んだときこそ「手を止めない」ことが一番の処方箋です。小さな一歩から始めて、少しずつ形を整えていけば、必ず自信を持って語れる自己PRにたどり着けるでしょう。